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日本公演がもたらした変化

Posted on 2017.09.20

昨年の7月から9月までの3ヶ月間、セブンスピリットでインターンをさせていただきました、岩岡千熙です。インターン期間中には、子どもたちが長年抱いてきた「日本での演奏会」という大きな大きな夢を実現させるべく、クラウドファンディングでの資金繰りを担当しました。

今年の4月に夢の日本公演が大成功に終わってから早5ヶ月。あのときの子どもたちの笑顔と感動の涙が忘れられず、いてもたってもいられなくなって、3週間という短い期間ではありましたがセブに舞い戻りました。

そこで今回は、日本公演の前後で子どもたちにどんな変化があったのかということについて書かせていただきます。

ふり返ってみると、1年前の今頃はまだ、彼らにとって日本公演という夢は手の届く範囲になかったのだろうなという気がします。

クラウドファンディングの支援額が100万円を超えたとき、それを知った子どもたちがものすごい勢いで私に抱きついてきて、「ちひろありがとう!あなたのおかげで私たちは日本に行くことができる!」と、眩しすぎる笑顔とともに悲鳴にも近い喜びの声を聞かせてくれたことがありました。

あのときの子どもたちの興奮と熱気には圧倒されるものがあり、私自身、なんとしても目標金額を達成しなければいけないなと背筋の伸びる思いでいました。きっと彼らは、自分たちの中だけの想像であったことが、少しずつ形になる過程を目の当たりにしていたのだろうと思います。

それでもやっぱり、子どもたちの興味は日本よりも練習後のスナック菓子にあったし、夢を追うよりも流行りの曲を追うことの方が大事なように見えました。

その後、私はクラウドファンディングで目標金額の200万円を無事に達成し、セブンスピリットでの任務を終えました。それから日本公演までの数ヶ月間、スタッフやインターン生、そして何より子どもたち自身の努力によって、夢は少しずつ、けれど確認に輪郭を帯び、そして現実のものとなりました。

日本公演が終わり、彼らがフィリピンに帰国してからのことです。私の携帯には子どもたちから絶え間なくメッセージが届くようになりました。メッセージの量はさることながら、その内容に私は心底驚かされました。

そこに書かれていたことの多くは、日本公演を通して得た次の夢、次の目標、そしてそれを叶えるために頑張りたいことについてだったのです。

ある子は、もう一度日本に行くために勉強と楽器の練習を両方頑張ることを、
ある子は、日本で先生として働きたいと思っていることを、
またある子は、日本とフィリピンの文化や法律の違いについて知りたいということを話してくれました。
中には、勉強を頑張りたいけれど英語が苦手だから教えてほしいと言う子もいました。

「また日本に行きたい!」「日本が恋しい!」で終わるのではなく、それを実現させるために今の自分には何が必要なのかという点にまで考えが及んでいることを知って、この日本公演が子どもたちに与えた影響の大きさを痛感しました。

実際、今回の3週間の滞在中には何人もの子が学校で勉強していることの内容や、自分の得意科目や苦手科目、フィリピンの教育システムについての話を聞かせてくれました。

もちろん1年前にも、宿題がたくさんあって大変だとか、プロジェクトの準備をしなきゃいけないだとか、そういう話はしてくれていたのです。でもそれは、自分の好きではないことや面倒だと感じることに対しての愚痴のようなもので、頑張って取り組んでいることを人に伝えようと前のめりになっている今とはまるで違っていました。

さらに、楽器の演奏技術も目に見えて向上したのではないかと思います。ローマは一日にして成らず、楽器の演奏技術というのは日々の積み重ねがあって初めて手に入るものです。

1年前の彼らの音と比較すると、音量、音質ともに良くなり、表現の幅も広がったように感じました。子どもたちの音から、日本公演に向けて重ねた練習の量、そしてその後の継続というものを垣間見た気がします。

これらの変化を、日本公演がもたらした「成長」だと一言で片付けるのは簡単だけれど、そこには、彼らを応援してくれる人たちの力を借りながら、彼らが自分たちの力で掴みとった夢の大きさが現れているように思います。

私を含め、現地で子どもたちをサポートし続けたインターン生やスタッフにとっては、大変なことや辛い現実と向き合わなければならないことの方が多かったかもしれないけれど、あの輝く笑顔と涙を見せられたら、そして、ここまで成長した姿を見せられたら、結局最後には「子どもたちの夢が叶う瞬間にたちあえて本当によかった」というところにたどり着くんだろうなと、そんなことを感じた3週間でした。

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最後に、言うまでもありませんが、彼らの元気の良さと騒がしさときらっきらの笑顔は何年たっても変わらず健在です。

変わらない底抜けの明るさと笑顔、そしてどんどん増していく人としての魅力恋しさに、必ずまたここに戻ってきます。

I’m Chihiro, one of the interns in Seven Spirit from July to September last year.
During that time, I was in charge of fundraising for the Japan tour, children had dreamed of, for a long time.

In July, I went to Cebu again to see my brilliant SS members.
When I visited them, I noticed they had changed a lot compared to last year.
So, I’d like to share their growth I felt to you.
Firstly, they can think more deeply.
I received so many emails from them after they finished performances and went back to Cebu.
I was surprised not only about the number of messages, but also about contents, because what was written was about their next dreams, objectives, and strategies to realize them.

Some kids told me that they practiced and studied hard to come to Japan again.
Some said they wanted to work in Japan as a teacher.
They also want to know differences of cultures and laws between Japan and the Philippines.
Moreover, some asked me to teach them English. It’s because they’re not good at English, even though they want to study more.

Before, they just desired to come to Japan, but now, they mention specific ways to accomplish them.
Secondly, they can play music better than before.
Both sound quality and volume have improved and it enables them to express their feelings using instruments.

I was able to feel how hard they practiced before and after the Japan tour, when I listened to their sounds.
Although it’s easy to determine that success in the Japan tour brought them these kinds of growth, I’m confident that it’s built by their own efforts.

Of course, I know preparing for the tour was very hard work for staffs and interns including me. However, at the same time, we all were very very happy to be with children when their ultimate dreams came true.
Finally, their charming smiles haven’t changed at all.
They are still so fascinating that they can encourage everyone who meet them.

I already miss them so much, that’s why I’ll definitely be back there again.

NPO法人セブンスピリットは、フィリピンを拠点に音楽・スポーツ教育活動を通して子ども達のライフスキル(=生きる力)の育成に取り組んでいます。
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