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紆余曲折のセブ生活

ブログ

Posted on 2018.10.04

こんにちは、セブンスピリット・元インターンの大橋早由里です。

私は現在大学4年の1年間を休学中で、2018年4月9日~9月30日までセブンスピリットでインターンをさせていただいていました。今“元”インターンと書いて、本当にセブンスピリットでの生活は終わってしまったのだなと寂しくなっているところです。

今回はそんな私のセブンスピリット生活を振り返ってみたいと思います!






セブンスピリットとの出会い

よくお会いする皆さんに「何でセブンスピリットでインターンをしているのですか?」と聞かれます。「大学生のうちから一人ですごいですね」とも言われますが、本当は全然優秀でもえらくも何ともないのです。私はもともとe-Educationという教育支援を行っている団体でインターンしており、2018年4月からネパールに行く予定でした。しかし渡航直前に諸事情からインターンをすることが出来なくなってしまいました。

しかしその時にはすでに休学届も提出してしまったし、トビタテ!留学JAPAN(給付型奨学金制度)からも合格をいただいている状態でした。急いで次のインターンを探さなければ!と焦っていたときに、前のインターン先の先輩からセブンスピリットを紹介してもらい、ここでインターンをさせてもらうことになりました。もちろん興味・関心があったからセブンスピリットのインターンに応募したわけなのですが、正直最初は乗り気ではなかったうえにホームシックが酷く、完全にマイナスからのスタートでした。
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フィリピン生活

まず空港に降り立って最初に感じたこと。
「暑い!!!」
フィリピンは4月5月が一番暑いのですが、なんと我が家にはクーラーがなかったのです。おいおい、そんな話聞いてないぞ?!と思いながらも日々生活していました。
そして次に感じたこと。
「トイレが汚い!!!」
床はべちょべちょ、安心して便座に座れない。これがかなりのストレスになり、トイレを避けるため水分を控えていました。その結果脱水症状になり、病院に入院する羽目に。人生初の入院・点滴を経験しました。点滴後はセブに来てから忘れていたお腹が空く・のどが渇くという感覚が戻ってきて、生きるってこういうことなんだ~と冗談ではなく、本気で思いました。それからは食欲が止まらず、なんと半年間で5キロも太ってしまいました…
入院
またこっちに来る前にインターネットでセブについて調べていたのですが、どのサイトを見ても治安が悪い、ジプニーは危険、ぼったくりひったくりに注意と書いてありました。これを見てビビっていた私は一人で外出するのが怖く、最初の1ヵ月はほぼ引きこもりでした(笑)
今では1人でジプニーに乗ったり、バイクタクシー乗ったり、夜お散歩したり出来るようにたくましく成長しました。ちなみに危ない目に遭ったことは今のところないです!




イナヤワン出張音楽教室

私のセブンスピリット生活で最も印象に残っているのはイナヤワンでの出張音楽教室です。私がセブに来た頃にちょうどイナヤワンでの出張音楽教室が始まり、以降半年間、毎週通っていました。他のどの日本人スタッフよりもイナヤワンの子ども達とともに過ごして感じたことは、吸収力がすごいということです。初めの頃は集中力がなく、先生たちの話を静かに聞くことも出来ませんでした(ちなみに今は少しずつメリハリがつけられるようになってきました!)。しかし、吸収力はものすごかったのです。おそらくせっかくの機会を無駄にしないようにしようという気持ちが強かったのだと思います。休憩中も一生懸命練習していた子や、レッスン中に率先して他の生徒を導いてくれた子。これからもっともっとあの子たちは成長していくでしょう。そんな彼らの将来が今からとっても楽しみです!
キャプチャ
またイナヤワンの子ども達だけでなく、先生をしてくれていたセブンスピリットの生徒たちにも大きな変化が見られました。初めのうちは上手に教えられずに感情的になってしまうこともありましたが、今ではどのように教えれば効果的かを考えるようになったり、イナヤワンの子達に何が出来るかを毎週独自に考えてきてくれるようになったり、頼もしいかぎりです。「自分たちも決して裕福ではないけれど、イナヤワンの人々はもっと貧しい。彼らのために自分のできることをしたい。だから毎週イナヤワンで音楽を教えるんだ。」と、ある男の子が私に話してくれました。なかなかこのように言える人は少ないはずです。私はこの言葉を聞いて、自分に出来ることは精一杯し、より一層彼らをサポートしていこうと思いました。
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貧困支援のあり方

私は小さいころから世界・日本国内の貧困問題に関心がありました。というのも我が家は母子家庭で、経済的にそして精神的にも苦労が多かったからです。「何で子どもは親を選べないのにどこの家庭に生まれたかによってこんなに苦労しなければならないの?」とずっと思っていました。こういったバックグラウンドから大学では開発経済学のゼミに入り、貧困問題について勉強しています。そのうちに机上の学習ではわからないこともあると考えるようになり、一年間休学しフィリピンで生活することを決めました。

よく貧困地域への支援の仕方として、現金支給・物資の援助などがあります。たしかにこれも大切なことです。ですが現地の人々が自立出来なければいつまでたっても貧困状態からは抜け出すことはできません。一方的な支援は支援する側の自己満足。その点セブンスピリットは違います。音楽・スポーツを通してライフスキルを身につけてもらう。これはとても地道な活動ですぐには貧困解決には繋がらないかもしれない。でも非常に大切なことで、現にセブンスピリットに何年も通っている子ども達はセブンスピリットに通っていない同世代の子よりも明らかにしっかりしているし、将来に対しても明確なヴィジョンを持っています。こういう人たちが少しずつ少しずつ国を変えていくんだと思います。

そして何よりも現地の人々受け入れられているのです。子ども達の住むコミュニティに行くと、「セブンスピリットのおかげでうちの子は変わった。ありがとう。」言われます。またセブンスピリットで働きたいと言ってくれるフィリピン人もいます。結局私たちは外国人だから現地の人々が何とかしなきゃと思って行動してくれないと意味がないのです。そういう点でもセブンスピリットはすごいと感じました。決して一方的に活動するのではなく常に現地の人の声を大切にし、陰ながらサポートする。この姿勢は本当に勉強になりました。




最後に

セブンスピリットに半年間もいたけれど、私がセブンスピリットの為に何か役に立つことが出来たのか正直わかりません。何も出来なかったのではないかと自己嫌悪に陥ったこともありました。ですが最終日にイナヤワンの子ども達・そしてお母さんが号泣しながら「さゆり、いつでも帰って来てね。もう家族だから。」と言ってくれたこと。セブンスピリットの子ども達が「他のスタッフが気づかないようなサポートをしてくれて本当にありがとう。もうセブンスピリット・ファミリーの一員だからいつでも戻って来てね!」などと言ってくれて、少しでも誰かの役に立てたのかなと嬉しくなりました。

私がこんなにも楽しく過ごせたのは彼らがいたからこそです。途中でしんどくて投げだしそうになったこともありましたが逃げないで本当に良かった。Ate Dorothy、Sir Reydonをはじめとするフィリピン人スタッフの皆さん、お世話になりました。

10月からはセブ市から少し南に位置するタリサイ市に引っ越し、NPO法人ハロハロで2019年2月までインターンをします。そこでは教育支援・生計向上事業のマネジメントを担当させていただく予定です。セブンスピリットで学んだことを最大限生かして、心機一転頑張っていきます!

そして最後に。
お母さんのように優しく、でも時に厳しく面倒を見てくれた永田さん。お父さんのように口数はそんなに多くないけど本当は優しくて面白い田中さん。そんなお2人が大好きです。半年間本当にありがとうございました!
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NPO法人セブンスピリットは、フィリピンを拠点に音楽・スポーツ教育活動を通して子ども達のライフスキル(=生きる力)の育成に取り組んでいます。
わたしたちのミッションや、拠点とするフィリピンの子ども達が置かれる状況についてはこちら
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また、セブンスピリットは皆様からのさまざまな形での支援をお願いしております。
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